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Sweet Love*

第14章 *二重人格*〜日向順平〜


一時間後。


「…という事だ。分かったか?」


先輩の毒舌混じりの授業が終わり、私は達成感に浮かれていた。


「はい!ありがとうござ
「じゃあ、今日覚えたところ確認するぞー」


「…えっ?」


それが間違いだった。

…そうですよね。
これで終わりなはず、ないですよね。


「いくら記憶力がなくたって、今教えたところは全部覚えてるよな?」


知ってたけど、知ってたけどね!?
笑顔怖いですよ!?

その笑顔の意味に怯えながら、私は先輩が出す問題に恐る恐る答えた。
答えた後防御体制にはいるくらいには、ビビっていた。

その代わり、正解したら狂喜していたけど。

約五分後。


「えと…それじゃないから…。あ、それ…万葉集、ですか?」


「正解。」


「やったぁぁ!」


やばいやばい、先輩にプレッシャー与えられると、すごい正解率上がるよ!


「…こんなもんだな。じゃ、確認はこれで終わりだ。」


「本当ですか!?」


「ああ。」


「やったー!全問せいかーいっ!」


私は、一問でも間違えたら…というプレッシャーに負けず何とか全問正解して、心の底から安心した。


「香奈。」


「何ですか?先輩っ」


「ん。」


手招きされて、先輩の方に行くと、なでなでと頭を撫でられた。
手が髪に優しく触れて、ドキドキする。


「ん…先輩…っ」


「よくできたな。」


その言葉にパッと顔を上げると、見計らっていたように、額にキスをされる。
不意打ちに顔が真っ赤になって、


「っ…せ、先輩のバカッ!!」


照れ隠しにそう叫んだ。


*二重人格*

二重人格なんて、ズルいです。
怒った時怖い分、
余計にドキドキしちゃうじゃないですか。
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