第96章 *通話中*〜高尾和成〜
通話中の香奈ちゃんに、後ろから手を伸ばす。
「あーもう、分かってるって…ひゃっ!」
後ろから抱きしめた後、俺は、その耳をペロリと舐めた。
「あんまり声出すと聞こえちゃうぜ?」
耳元で囁きながら、首筋にキスを落とす。
「な…何でもない!気にしなくていいから!」
涙目で睨んでくるけど、そんな真っ赤じゃ逆効果だ。
つー…と太ももを撫でると、
「やっ…」
と声が漏れた。
ギュッと目を瞑って耐える姿に、余計意地悪したいという気持ちが芽生える。
「う…うるさいって言ってんのよ!さっきから長々と…切るよ!?」
あー、切りたくてしょうがないんだろうな。
こういう慌ててる香奈ちゃん、大好き。
「だから、もういいって!切る!」
一方的に電話を切った香奈ちゃんは、ようやく俺に話しかけてくれた。
「電話中はやめてよ!長くなっちゃったのは、悪かったとは思うけど…。」
「ははっ、ごめん、やりすぎた!でもま、お泊まりはまだまだこれからなんだから…今みたいに油断してたら、危ないってこと。」
だって、やっと二人きりなんだからな。
*油断禁物*
俺と二人の時に、
隙なんか見せたら…
どうなるか、分かるよな?