第82章 *照れ顔*〜伊月俊〜
香奈side
いつも、あたしばかりドキドキさせられて。
いつも、俊君は涼しい顔でいる。
少しくらい…
「少しくらい照れろよバカーッ!」
「なるほど、それであたしを呼び出したわけね。」
「だって相談出来るのリコしかいないし!!」
とある休日の日、あたしは家にリコを呼んだ。
もちろん、拒否権はない。
呼んだ理由は、あたしの彼氏…俊君の事で、相談があるからだ。
「…で、どう思う?リコ。」
「どうもこうも、伊月君が好きな子の前でどんな言動なのかなんて、あたしは知らないわよ。」
まぁ、それもそうなんだけど…。
でも、でも!
「俊君に限った話じゃないよ?だってさ、彼氏が自分と二人きりの時も、手繋いでる時も全然照れてくれないとか、不安にならない!?」
「あー…なるんじゃないの?」
「完全に他人事じゃん!ちゃんと聞いてよ…!」
だって、誰でもそう思うでしょ?
いつも、あたしばかり意識して、緊張して…。
どうして、俊君はいつも通りでいられるの?
あたし、彼女として…見られてないの?
「あたしはそんな経験ないし、第一、そんな不安なら自分で聞けばいいじゃない。あたしの事ちゃんと好き?って。」
「うっ…そうなんだけど…。」
だけど、こんな事で俊君を困らせたくない。
少しの事で一々不安になる自分に、嫌気さえさしてくる。
こんな気持ち、やっぱり打ち明けられないよ。