第81章 *日課*〜葉山小太郎〜
香奈「もしかして…今日、十四日⁉」
葉「うん、そうだよー。」
香奈「…完っ全に忘れてた。」
三月十四日。
何でクッキー?と思ったけど、それは今日が俗にいうホワイトデーだからだ。
葉「ビックリした?」
香奈「…うん。」
いつもは言えないけど、今日くらいは…
香奈「葉山君。」
葉「ん?」
誰もいないけど、葉山君の耳に出来るだけ顔を近づけて、
香奈「…ありがと////」
それだけ、ポツリと呟いた。
恥ずかしかったけど、今回なら、葉山君にからかわれてもいい気がした。
…なのに。
葉「え?あ…う、うん…?////」
見えたのは、いつもは見ない赤くなった顔。
聞こえたのは、上ずった声。
…全てが、緊張してた。
葉「…っていうか、いきなりデレるの禁止!////」
香奈「は⁉」
葉山君がドキドキしてたなんて、この時のあたしは、全然気づいてなかった。
*日課*
ドキドキするような、
君との日課。
君もドキドキしているのかな。