第81章 *日課*〜葉山小太郎〜
香奈side
葉「香奈ー!」
香奈「葉山君?なっ…」
何?と言いかけた言葉は、いつも遮られる。
…まともな用事と思ったあたしがバカでした。
葉「顔真っ赤ー!超可愛い!」
香奈「うるさいなぁ…赤司君に言い付けるよ⁉////」
あたしの彼氏、葉山君は、付き合う前までは毎日あたしに告白してた変わり者。
その日課も終わって一安心してたのもつかの間。
今度は、毎日キスする…という、新しい日課が出来てしまった。
葉「えっ⁉お願い、赤司にだけは言わないで!!俺どうなるか分かんないし!」
香奈「はいはい。」
いきなりキスする割には強引じゃなくて、それでいつもあたしは許してしまう。
それに、そんな嬉しそうな顔されたら、何も言えなくなるじゃん。
葉「よかったー!んじゃ、もう一回!」
香奈「は⁉待ってよ!」
待って、なんて言いながら、近づいてくる顔を見て目を瞑る。
だけど、こつんと額に触れたそれは、触れると同時にガサッという音がした。
葉「なーんてね!キス寸前の香奈の顔、可愛いー♪」
香奈「っ…サイッテー!////」
ちょっと期待してたのに…なんて、直接言えるはずのない言葉を心の中で呟き、さっき触れたものはなんなのかを探そうとした。
ふと、葉山君の手に目をやると、小さい箱を持っていた。
香奈「…何、それ?」
葉「ん?あー、これ?これはねー…香奈に!」
あたしに?
多分これが触れたものだと思う。
葉山君から受け取り、開けてみれば、クッキーが入っていた。
…ん?
何でクッキー?
………あ。