第79章 *涙*〜花宮真〜
香奈side
「まこちゃん一緒に帰ろー!」
「は?お前と一緒になんて帰るかよバーカ」
「もー…ひどくない?」
隣の席の彼氏…まこちゃんは、最近あたしに冷たい。
というか、付き合い始めてからというものの、一度もデレた所を見てない。
デレなきゃツンデレ成立しないじゃん!!
「ひどくねーよ。普通だろ。」
「いや、普通じゃないから!」
前からまこちゃんがこういう性格だってのは知ってたけどさ。
一応、今日…ホワイトデーなんですけど。
「って、まこちゃんいつの間に帰ってる⁉」
気が付けば、目の前にはまこちゃんはいなかった。
バレンタインの時は妬いてたくせに。
最近は急に冷たくなるし…
何がしたいの?
「…バカはそっちだよ、バーカ。」
あたしの気持ちにも気付いてくれなくてさ。
好きなのは、あたしだけみたいじゃん…。
「…あたし、嫌われたのかな…」
一人残された教室で、あたしは少しの間泣いた。
泣いてしまえば、楽になれる気がしたから。
…泣き止んで、もう誰もいないだろうと思い、泣いた後の顔を隠す事もなくそのまま外へ出た。
「バーカバーカまこちゃんのバーカ」
そう言って気を紛らわしながら歩く。
悲しい気持ちになるよりかは、文句言ってた方がまだましだ。
「変な眉毛だしゲスいし冷たいし自己中。」
…でも、
それを知ってても…
「それでも…好き。」