第78章 *早歩き*〜青峰大輝〜
香奈side
桃「香奈ちゃん!一緒に帰…っと、私用事思い出したから帰るねーっ!」
香奈「そうなの?じゃあね、ばいばーい!」
放課後。
一緒に帰ろうと言いかけた桃井ちゃんは、廊下を見た途端用事を思い出したらしく、先に帰って行った。
私も、桃井ちゃんの見た廊下を見てみる。
と、そこには私の彼氏の大輝君が立っていた。
大輝君の所に近づくと、何かを呟いているのが聞こえた。
青「さつきのやつ、変な気遣いやがって…」
香奈「へ?さつきちゃん、気遣ったの?」
青「っ…何でもねーよ!////」
私がそう聞いたら、大輝君は早歩きで歩き始めた。
香奈「あ、待ってよー」
歩幅の差もあり、駆け足でやっと大輝君と同じ早さになる。
外に出て、やっと大輝君が普通の早さで歩き出す。
…というより、私の早さに合わせてくれた。
香奈「大輝君、大輝君」
青「あ?何だよ。」
香奈「手、繋ごー」
今まで一度もした事なかったけど、何と無く、友達感覚で繋いでみたくなった。
青「は!?…あーもう、わーったよ!////」
顔赤いなー、なんて思ってたら、手を握られる。
その手が大きくて、私の手が完全に包まれていた。
香奈「わ…ちょ、大輝君早いよー」
青「るっせ、いいから黙って付いて来い!////」