第77章 *一ヶ月*〜森山由孝〜 明日叶様リクエスト
香奈side
『もちろん、返すさ。
…本命でね?』
あの日から、ちょうど一ヶ月。
そう…今日は、ホワイトデーだ。
香奈「…うわ」
確かに今日のあたしは、学校に行くのが珍しく楽しかった。
結局、あたしが告白してから一ヶ月間返事はなし。
その分、今日への期待が膨らむ一方だったのだ。
…が。
何だこの、バレンタインの時の二倍ほどあるチョコやクッキーの山は。
食えと言うのか?
これを?
香奈「…いらないんですけど。」
迷惑って言っちゃ悪いかもだけど、あたしはもう好きな人いるし。
他の人好きになった方が、何倍も可能性はあると思う。
…それに、その好きな人に今日告られて、付き合うかもだし…////
香奈「な、何考えてんのあたしっ!キモいっ!!」
でも、こういう事考えちゃうのも、全部森山が期待させるから。
あたしは…悪くない。
そんな風に、誰にするわけでもなく言い訳を考え、教室へと早歩きで向かった。
香奈「…もう、やなんですけど。」
何、何なの?
靴箱も机の中も、どうやって詰め込んだんだ、ってほど大量の箱が出てくる。
奥の方にいれたものは、へこんでいて原型を留めていなかった。
香奈「…これほしい人ー」
クラスメイト「あっ、ほしい!じゃあそのチョコクッキーで!」
クラスメイト「じゃあ私はチョコで〜」
クラスメイト「マシュマロあるー?」
机の上に三分の一ほどおいて、勝手に取っていけるようにする。
机の上には三分の一くらいしか乗らなかったので、ある程度減ったらまた乗せる、という感じだった。