第65章 *本当のキミ*〜日向順平〜
香奈side
香奈「先輩のバーカ。
バカバカバーカ。ダアホ。」
日「テメーさっきからうるせーよ!少し黙れ!あと真似するな!」
香奈「事実だからしょうがないんです!」
ただいま、彼氏である日向先輩の家にいます。
だけど、デートとかじゃなくて、下校中に雨が降ったから仕方なく…って感じ。
あたしは嬉しいんだけどなぁ…。
けど…
先輩は、さっきからずっとフィギュア作りに夢中で、あたしなんて気にかけてくれない。
そんなに好きなら戦国武将と恋すればいいじゃんっ!←
もう寝ようかな…雨も止みそうにないし。
香奈「先輩なんて知りません。もう寝ます。」
日「おー、やっと静かになるのか」
…うるさくて悪かったですね。
もう絶対口聞いてやんない。
気がつけば、先輩のベッドで、あたしは本当に寝てた。
日「…香奈?」
あたしが寝てる間、先輩が急に静かになったあたしに話しかける。
そっと顔を覗き込んだ先輩は、申し訳なさそうな顔をした。
日「…悪い。」
そう言ってそっと頬にキスしてくれたのを、あたしは知る由もなかった。
香奈「…ん…」
ふと目が覚める。
あ…寝ちゃったのかぁ。
目を開けると、そこは真っ暗。
真っ暗…え、真っ暗?
…えええええ!?
夜!?もう夜!?
どんだけ寝ちゃったのあたし!
香奈「はぁ…こんなつもりじゃなかったのに…」
今からでも帰ろうか、と思ったけど、窓の外からはザァァァ…という雨の音。
ダメだ…帰れない。
香奈「っていうか…先輩どこ…?」