• テキストサイズ

Sweet Love*

第64章 *特別扱い*〜緑間真太郎〜


「なっ、何でもないのだよ!////」


「えー、そう言われると気になるよー。」


必死に隠す真ちゃんの手をグイグイと引っ張って、話すよう促す。
何分かそのやり取りを続けた時、はぁ、というため息が隣から聞こえた。

必要ないのにメガネを押し上げるのは、何かを話す時の癖。


「…左手がテーピングされてるから…香奈がテーピング越しで手を繋ぐのは嫌かと思っただけなのだよ。」


…え?
真ちゃんの言葉に、ポカーンと口を開け、呆気にとられる。


「え、えええっ!?うっそ、気にかけてくれてたの!?」


「気にしてなかったなら別にいいのだよ!忘れろ!」


恥ずかしさ故にか逆ギレされるけど、それさえ嬉しくて。


「いや、気にしてないっていうか…そんなわがまま、聞いてくれるの?」


「…お、お前は特別なのだよ////」


「じゃ、じゃあ…テーピング、とってほしいな…////」


赤くなりつつもテーピングを外してくれる真ちゃんにつられて、あたしもドキドキする。

初めて感じるテーピング越しじゃない左手は、慣れなかったけど…自然と頬が緩んだ。


*特別扱い*

左手に触れられるのも、
特別と言われるのも、
全部、あたしだけだといいな。
/ 410ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp