第61章 *人間観察*〜黒子テツヤ〜
香奈side
姉「…香奈が?」
香奈「そう!お願い!」
目の前にいる、双子の姉に必死にお願いする。
…原因は、遡る事一週間前。
彼氏のテツヤがうちに来て、いわゆるお家デートをしていたあたし達。
その途中、テツヤが
黒『今度出かけませんか?二人で。』
と、彼女であるあたしの前でお姉ちゃんをデートに誘ったのだ。
で、今日がその当日なんだけど…
香奈「テツヤってさ、何かとお姉ちゃんを女子扱いするでしょ?だから、お姉ちゃんとデート中、何するのか気になるの!
だからお願い!デート、あたしに行かせて!」
姉「はあ…私はいいけど、何もないと思うよ?あと、バレないようにできる?」
香奈「何もないわけないでしょ!お姉ちゃんは警戒心なさすぎ!それと、バレない自信はあるから大丈夫!」
こうして、今日テツヤとデートするのは、お姉ちゃんに変装したあたし、という事になった。
待ち合わせ場所にて。
香奈「黒子君、お待たせ。ごめんね、遅くなっちゃった。」
黒「いえ、大丈夫ですよ。行きましょうか。」
そう言って歩き出すテツヤ。
さすがに手を繋いだりはしないか…。
よかった。
お姉ちゃんの方が女子っぽいから、最近、ちょっと不安だった。
今日こうして来たのも…あたしが不安だからってだけ。
ごめんねテツヤ…今だけ、騙されて。