第60章 *わがまま*〜木吉鉄平〜
香奈「そんな事言ってたら、私の頭撫でてくれるのだって、私のためにしかならないよ。」
木「そんな事ないさ。俺はこうしてて幸せだし。」
香奈「それなら!」
勢いよく立って、木吉にビシッと指を指す。
香奈「木吉のわがままも、他の人のためになるよ、絶対!」
ね?と言って笑えば、木吉は話しづらそうに、でも口を開いてくれた。
木「じゃあ、香奈に一つだけ、わがまま言ってもいいか?」
香奈「うんっ!」
嬉しい。
やっと、木吉に頼られる…!
木「その…
名前で呼んでくれないか?」
…え?
名前って…
香奈「それだけでいいのー!?もっと、キスして、とか、抱きついて、とかないの!?」
木「いや…その、本当にそれだけでいいんだ////」
香奈「むぅ…分かったよ。」
まだちょっと納得いかないけど、でも、嬉しかった。
木吉がわがまま言った。
それと同時に、木吉の赤面も見られた。
香奈「大好き、鉄平っ!」
本当はお願いされてしたかったけど、我慢出来なくて、
『チュッ』
私は、自分からキスをした。
*わがまま*
甘えて、甘えられて。
そんな関係になる事が、
私の一番のわがままです。