第55章 *恋人証明*〜高尾和成〜
「ちょ、俺真剣なんだけどー」
「だって…ふふっ。なんか、和成君らしいなって。」
そうだよね。
まだ恋人らしい事、出来てなかったね。
「っていうか、それだったら和成君もじゃない?」
恥ずかしいけど、抱きしめたり、キスしたりしたいなら、していいのに。
「だって…香奈ちゃんが俺の事好きって、実感したかったし。」
「私だって、同じだよ。」
だって、和成君からキスされた事、ないもん。
小さく呟くと、和成君が目の前に来た。
お互いの息が近くて、ドキドキする。
「…しよっか、キス。」
「…うん。」
私達は、お互い引き寄せあって、キスをした。
優しいキスは、和成君の温もりを感じれて、幸せだった。
「今度、デートしよっか。」
「うん。映画とか観に行きてー。」
「ふふっ。行こう、絶対。」
キスの後の、ふわふわした時間が流れる。
こんな会話が出来るってだけで、自然と笑みが零れた。
*恋人証明*
もう、片想いじゃない。
これからは、
恋人だって、二人で証明したい。