第7章 *魔法*〜伊月俊〜
その後は、カラオケ行って、しばらく歌った。
そして、今はお風呂に入ってる。
ももも、もちろん一人ですよ!?
俊が貸してくれるって言うから、一通り髪と体を洗い、のぼせないようにちょっとだけ湯船に浸かって、私は、お風呂を後にした。
洗面所で、家から持ってきた結構ぶかぶかな服を着る。
可愛いから買っちゃったけど…サイズが大き過ぎたやつだ。
『コンコン』
「…俊?」
服を着終えて、髪を乾かそうとしていた時、ドアをノックする音が聞こえた。
「ああ。」
「どしたの?」
「いや…髪乾かすの、手伝うよ。」
「本当?ありがとっ。入って来ていいよ?」
その後、俊に髪を乾かしてもらった。
乾かし終わると、俊が
「香奈、その服…似合ってる////」
と言ってくれた。
本日初の、俊の赤面!と思ったら、
「フクロウの服は福を呼ぶ!キタコレ!」
なんて言うから、そのギャップに爆笑した。
居間に戻って、私達は同じソファに隣同士で腰掛けて、私は本を、俊はテレビを見た。
…それからしばらく経った時。
テレビの電源をリモコンで消し、
「香奈…そろそろ寝ないか?」
どこか眠そうな顔をして、俊が話しかけてきた。
気づけば、もう十時。
「うん…そだね。」
俊の顔につられて、私も突然睡魔に襲われる。
キュッ、と優しく手を引かれて、二人で同じベッドに潜り込んだ。
実を言うと、お泊まりの中でこれが一番の楽しみだったりする。
「ん…おやすみ…」
俊の服をちょっとだけ掴んで、目を閉じた時。
「待って。」
俊の声が聞こえて、そっと目を開ける。
真っ暗で何も見えないけど、
確かに目の前に俊の顔があって、
私達はキスしていた。
「おやすみのチュー。」
「っ…俊…////」
「…ハッ!稲と添い寝っていいね!キタコレ!
明日絶対ネタ帳に書く!」
「…そこで言う?ふふっ…あははっ!」
静かな部屋に、二人の笑い声が響いた。
*魔法*
あなたの言葉には、魔法がかかっている。
それは、私を笑顔にする、
幸せの魔法。