第7章 *魔法*〜伊月俊〜
香奈side
十二月。
真冬なこの月のある日、私は彼氏の家でお泊まりをする事になった。
「お邪魔しまーす…。ごめんね、荷物…」
「ん?あー、全然いいよ。俺が持ちたいっつったんだし。…!お餅を持ちたい!キタコレ!」
「ぷっ(笑)それじゃあ、今日一日お世話になります。」
私は、誠凛高校唯一と言われるほど珍しい、俊のダジャレを面白いと思う人間。
でも、私はそれが理解できない。
こんなに面白いのに、何で誰も分かってくれないの!?
…その話は置いておくとして、私にとっては今日は天国のような一日だ。
だって、一日中俊のダジャレが聞けるんだよ!?
笑い過ぎて、呼吸困難になるかも(笑)
その後、荷物をまとめたりして、手始めに私達はゲームで対戦をしていた。
「うお!スーパースター出た!ハッ!スーパースターで煌めくスターに!キタコレ!」
「ちょ(笑)俊やめて(笑)手震える(笑)あぁ〜ゲームオーバーだぁ〜!!!俊、もっかい!」
「あ、待って。今のネタ帳に書き留めるから。」
ゲームは、こんな感じで俊がダジャレを言う度私が負け、結局惨敗だった。
その後、お昼ご飯を二人で作った。
作ってもらうだけじゃ悪いし、私も一人で暇持て余すのは嫌だったからね!
だけど、ゲーム中の俊のダジャレを思い出して、少しだけ指を切ってしまった。
俊はそんな私の指に絆創膏を貼ってくれて、
「ごめんな、俺のせいで…」
と言って、絆創膏の上からキスしてくれた。
「だ、大丈夫だよ////私の不注意がいけないの////」
この時心臓バクバクだったのは、私だけの秘密。