第53章 *本気の告白*〜黄瀬涼太〜
香奈「黄瀬君、ちょっと待ってて。」
ご褒美でもあげようかな、と思い、席を立つ。
ドアの近くに置いておいた鞄を取ろうと近づくと、
黄「どこ行くんスか…?」
黄瀬君に、突然後ろから抱きしめられた。
香奈「ちょ、な、何して…////」
黄「行かないでほしいッス…
ここにいて…」
香奈「ど、どこも行かないよ…////」
寝ぼけてるからって、それはズルいよ…////
あたしの心臓は、破裂寸前ってくらいにドキドキしてた。
香奈「あ、あの…こここ、これ…////」
鞄から小さい箱を出して、まだ抱きついてる黄瀬君の顔にグイッと押し付ける。
黄「…?何スか、これ…」
香奈「ち、チョコだけど…」
いい加減、離れてほしい。
心臓の音聞こえそう…
黄「…香奈は、俺の事好き?」
香奈「なっ…!?////」
『俺は好きだよ?』
そう耳元で囁かれて、全身がビクッとなる。
黄「耳弱いんスね…反応超可愛い。」
香奈「…るっさい////寝ぼけてるからって、調子乗んな////」
本当、いつも振り回されっぱなし。
今だって、きっとからかわれてるだけ。
やめて、期待させないでよ。
あたしは、本気で好きなんだよ…?
香奈「…好きだよ、バカ。
分かったら、ふざけないで。」
黄瀬君の腕から無理矢理逃れて、涙目で睨みつけた。
…なのに。
黄「寝ぼけてないし、本気だよ?俺。」
そんなの、反則。
黄「つーわけで、今日からよろしくね、俺の彼女さん♪」
香奈「なっ!?彼女…!?////」
黄「ずーっと前から好きだったんスよ?もう待ちきれないッス。」
そう言う黄瀬君の頬は、余裕ぶってるように見えて、少しだけ赤くなってた。
*本気の告白*
君もあたしも、
正真正銘、
本気で好きなんです。