第47章 *策略家の君に*〜伊月俊〜
香奈side
伊「チョコをちょこっと分ける!キタコレ!」
二月十四日。
バレンタインの今日も、俊君はダジャレ全開だ。
そんなあたし達は、今、下校中。
付き合ってる、とかそんな事全然無いけど、家が近いから一緒に帰ってる。
香奈「俊君はチョコどれくらいもらった?」
伊「ちょk 香奈「ダジャレじゃなくて!」
俊君が言おうとしてた事を遮ったからか、俊君は若干不機嫌そうな顔をした。
伊「無い。…いや、一個あるっちゃあるかな。」
香奈「!?」
予想外の答えに、驚く。
こ、告られたの!?
香奈「だ…誰に?」
伊「ん?リコ。まぁ、義理だから安心して?」
何だ、そゆことかぁ…
良かっ…
…良くない!!
香奈「なっ…何であたしが安心しなきゃいけないの!?////」
俊君の事が好きなのは、誰にも知られてないはずなのに…////
と、一人パニック状態に陥る。
伊「さぁ、何でだろうね?」
そう言いながら、面白がるように笑う俊君。
香奈「知らないよ!俊君が言ったんでしょ!?あたしは何とも思わないしっ…////」
伊「顔赤いのバレバレ。」
…俊君は、時々こんな風に意地悪な事を言ってくる。
もしかしたら、知られてる?
でも…こんな意地悪な俊君がかっこいいなんて、当然言えるはずもなく。
香奈「赤くないし!俊君といたって、何とも思わないし…////」
伊「俺は、香奈といるのが一番楽しいけどね。」
それに…俊君は、正直すぎる。
だから、やり返す事も出来ない。
なのに今まで告白できずにいたのは、俊君に嫌われるのが怖くて…
香奈「…俊君。」
伊「ん?」
香奈「あたしの事、いつか…嫌いになる?」