第46章 *特別関係*〜葉山小太郎〜
香奈side
葉「香奈!好き!」
香奈「はいはい。」
朝からあたしに告るこの人は、クラスメイトの葉山君。
高一の時もクラスが同じで、その時なぜか告白された。
葉山君の事は友達として見てたから、ごめんね、と断ったら、
『じゃあ毎日告る!』
と言われてしまったのだ。
あたし達の変な関係は、ここから始まった。
この関係は、まさに『友達以上恋人未満』そのものだと思う。
そんなあたし達に、ついに『あの日』が来てしまった。
葉「香奈!」
香奈「チョコはない。」
葉「!?」
あたしが即答すると、ビックリした顔をする葉山君。
葉山君の言いたい事くらい分かるよ。
二月十四日。
バレンタインデーのこの日に、葉山君がチョコを欲しがる事は想像がつく。
葉「つか、即答でないって…ひどい…(泣)」
香奈「別に葉山君の事好きじゃないから。」
ふいっとそっぽを向いて教室に行こうとすると、葉山君に壁に押し付けられた。
香奈「なっ…!?」
葉「嫌い?」
ヤバい。
ここは部室。
そして、他の部員は教室に行っちゃったから…ここには二人きり。
香奈「何?突然…」
葉「突然じゃないよ?前から言ってたよね?好きって。」
それは知ってる。
突然なのは、そっちじゃなくて…
香奈「何で、いつになく怒ってるのよ。」
あたしの態度に対する、葉山君の反応の方だ。
他に誰もいなくて、葉山君は怒ってるのに、あたしは結構冷静でいられた。