第45章 *無自覚バレンタイン*〜笠松幸男〜
笠「え…と////」
視線を逸らしたり私を見たりするゆきちゃん。
笠「…意識させんじゃねーよ////」
香奈「へ?」
『俺も』とか言ってくれる事を期待してた私にとって、想像の斜め上をいく発言。
…意味がよく分からない。
香奈「…ごめん、それ、どう言う…」
笠「だから!////」
グッと腕を引っ張られ、ゆきちゃんの方を向くと、
『チュッ』
唇に、何かが重なった。
三秒くらいくっつけて、離れる。
香奈「へ…?」
もしかして、今の、って…
笠「…やっと意識したのかよ////」
香奈「えええええ!?////」
キ、キキ、キスされた!?////
笠「はぁ…。意識しないようにして、やっと慣れてきたのに…何で全部無駄にすんだよ////しかも、無自覚だし…少しくらい意識しろ////」
だからって、これは…ズルい////
香奈「…ゆきちゃんのバカ。」
笠「なっ!?バカって何だよ!」
香奈「…俺も好きだって、言ってくれたら…許す////」
上から目線みたいに言っちゃう私に、また真っ赤になる彼。
でも、今度は視線は逸らさないで、
笠「んなの…好きに決まってんだろ////」
ちゃんと、言ってくれた。
*無自覚バレンタイン*
無自覚な私に、意識する君。
これは、私が意識し始めた、
とあるバレンタインデーの事。