第45章 *無自覚バレンタイン*〜笠松幸男〜
香奈side
香奈「ゆきちゃん、お待たせ!」
部屋に入ると、ゆきちゃんが緊張して正座をしていた。
笠「うおっ!?…香奈か…」
香奈「私以外誰が入ってくるの?w」
もしかして、ゆきちゃん珍しく今日はボケなのかな?
ツッコミ休暇ってやつ?
笠「いや…わりぃ、何でもない。」
香奈「そう?ならいいんだけど。」
そう言って、持ってきた包みをゆきちゃんの前にあるテーブルに置く。
笠「…何だ?」
香奈「あれ、忘れてた?まぁいいや、開けてみれば分かるよ。」
ほら、と包みを開けるように促す私を、不信の目で見るゆきちゃん。
香奈「びっくり箱じゃないんだから、そんなに警戒しなくていいのに。」
私がそう言うと、慎重に、ゆっくり包みを開けていった。
中には…
笠「これ…」
香奈「ゆきちゃん、ハッピーバレンタイン!」
私が作った、チョコクッキー。
時間なかったから、簡単なものになっちゃったけど…。
香奈「これからもずっと、大好きだよ。」
ゆきちゃんがびっくりしてくれたから…いいかな。