第44章 *贈る相手は*〜花宮真〜 kyoko様リクエスト
「…へ…?好き…?」
えと…え?
それって…
まこちゃんがあたしを、好き…?
「本当、女子のくせにうるさくて鈍感で、女子に見えねー。」
結構ひどいな…なんて一人思っていると、「だけどな」とまこちゃんが続ける。
「今更嫌いになれるわけねーんだよ、バーカ。」
…やっぱり、まこちゃんはただのツンデレだ。
悪口ばっかでいつもは猫かぶってて、恋愛も興味なさそうって思うけど、
本当は一途で、素直になれないだけなんだ。
「だから…俺にしろよ。」
まこちゃんとの距離がグッと縮まって、ドキドキする。
だけど、言ってる事は面白い。
「ぷっ…あははっ!」
「なっ…ふざけんなよ!俺は本気なんだよ!」
だって、それじゃあ…
「そのチョコ、まこちゃん用(笑)誰とかじゃなくて、自分のだよ?(笑)」
自分で自分に嫉妬してるようなものじゃない。
「っ!?////」
「まこちゃん可愛い…(笑)」
「っるせーよ!////」
まこちゃんの真っ赤な顔が視界いっぱいに広がる。
…よく考えれば、あたし今押し倒されてるんだよね?
この状態でからかうのはまずい?
「ごめんまこちゃん、ちょっとよけてー。」
軽い感じで言うと、まこちゃんはニヤッと笑った。
…ヤバい。
「よけるわけねーだろ。」
「ですよねー…あはは…」
コツン、と額が当たる。
もう、逃げられないな。
「…ファーストキスは、まこちゃんに捧げますよ。」
「当たり前だろ」
『チュッ』
優しく触れた唇は、ぎこちなくて、まこちゃんも初めてキスしたって事が分かった。
*贈る相手は*
好きな人は、
チョコを贈る相手は、
幼馴染『だった』君の事。