第44章 *贈る相手は*〜花宮真〜 kyoko様リクエスト
香奈side
「まこちゃーん!チョコ何個もらった?」
中休み、隣の席の男子に抱きつきながら話しかける。
あ、まこちゃんなら猫かぶってるから結構もらえそう。
そんなあたしは、まこちゃんこと花宮真の本性を知る幼馴染。
まこちゃんてば、実はただのツンデレなんだもんね!
かーわいー♪
「あ?いらねーくらいだよ」
可愛い…うん、可愛いはずなんだ。
「さすがまこちゃん!つーわけで、半分くらいちょうだい?」
「んなに食べたら太るな(笑)」
「うわ、まこちゃん性格わっるー(笑)」
そんなまこちゃんの悪口にもめげないのには、訳がある。
そりゃ、幼馴染ってのもあるけど…
あたしが、まこちゃんの事好きだから。
何個ももらってるのはショックだけど、まこちゃんが迷惑そうにしてるから不安ではない。
「そうだなぁ…ここでチョコ食べるのも何だから、裏庭行こっか!」
「は?一人で行けよ。」
「えー、まこちゃんと食べたいんだもん!」
面倒臭がるまこちゃんを、強制連行した。
…裏庭にて。
「いただきまーす!」
あたしはまこちゃんからもらったチョコを頬張った。
どれも美味しいー!
「美味しいなぁ…。ま、あたし程じゃないけど(笑)」
ドヤっとドヤ顔をしてみせる。
『お前のより100倍うめーよ』とか言われそうだなぁ…。
「あ?お前も作ったのか?」
だけど、予想とは違う反応だった。
ま、外れる時もあるよね。
「作ったよ?ほら!」
昼休み中に渡そうと思っていたチョコを見せる。
「これ、本命なんだー!」
「…誰にやんだよ」
「んー…秘密♪」
…まこちゃんなんだけどね。
でも、あとちょっとだけ反応見てみようかな。
「んなの食えるやついるかよ。」
「ひどいなぁ、その人なら食べてくれるもん!」
「なわけないだろ、バーカ。」
出たよ、まこちゃんの口癖。
だけど、なんかいつもより切なそうな顔に見えたのは…気のせい、かな?
「だから…」