第42章 *チョコの意味*〜森山由孝〜
香奈「森山。」
森「ん…?」
香奈「その…こ、これ////」
鞄に入ってた包み紙を、森山に押し付けるように渡す。
香奈「い、一応、ね////義理だから////」
男子にチョコを渡すなんて、初めてで…ドキドキした。
森「…俺に?」
香奈「一個ももらえなくて、可哀想だったから////可愛い子からもらいたかったとか、文句言わないでよね////」
言葉とは裏腹に、顔が熱い。
周りに誰もいなくて、よかった…。
森「俺へのチョコ…!!」
森山は、文句どころか目をキラキラさせていた。
嬉しそうな顔を見て、少し緊張がとける。
香奈「義理なんだから、あんまり期待しないでよ?美味しい保証ないから。」
とか言って、必死になって何度も作り直したのは、どこのどいつだ。
実は、ちょっとだけ…自信あったりする。
森「いや、無理だ。香奈のは絶対美味しい。」
そうズバッと断言されると、プレッシャーかかるんだけど。
でも、やっぱり嬉しかった。
香奈「…ホワイトデー、ちゃんと返してよ?」
義理なんだけどね、と付け足すけど、義理にしては凝りすぎたかな、と自分で思う。
でも、どんなチョコにも負けなくなかったんだもん。
森山の場合、比べれるようなチョコは無かったけどね。
森「もちろん、返すさ。」
そう言った後、森山の顔が耳元に。
グッと縮まった距離に、ドキンとした。
森「…本命でね?」
香奈「なっ…へ!?////」
驚くあたしを見て、森山は楽しそうに笑っていた。
*チョコの意味*
友達、義理、本命。
あたしのチョコの意味も、
本当は義理じゃなくて…