第39章 *似た者同士*〜桜井良〜
香奈side
香奈「桜井君っ!おーはよ!」
小さく手をあげて、隣のクラスの桜井君に声をかける。
今は、中休み。
他にする事がないあたしは、いつも真っ先に彼氏の桜井君のクラスへ行く。
青「おー、香奈。はよ。」
香奈「アホ峰もおはよーん♪」
青「香奈!俺に向かっていい度胸だな…」
噛んだだけだよーとか言ってあからさまに誤魔化す。
それに、あたしは桜井君に挨拶したんだし。
桜「あ、おはようございます!」
香奈「屋上行こっ?」
桜「はい!」
あたしが誘うと、嬉しそうな声を出す桜井君。
可愛いなぁ…。
青「俺も行くわ。」
香奈「ダメ!桜井君といちゃつくんだから!!」
青「あ?別にいいだろ。さつきに言われて授業受けてやったんだからよ。」
…そういえば、いつもなら初めから屋上にいる青峰が、今日は教室にいた。
香奈「授業、受けてたんだ?」
青「午前だけだけどな。んじゃ行くぞー」
勝手に青峰も行く事になってるし。
あーあ、思う存分いちゃつけないじゃん。
香奈「はいはい。桜井君、行こ?」
桜「は、はい!」
手を差し伸べると、その手を繋いでくれる桜井君。
もちろん、恋人繋ぎでね?
あたし達は、屋上に着いた。
『ガチャッ』
香奈「わ、温度ちょうどいいー…」
寒いわけでもなく、かといって暑いわけでもない。
ちょうどいい温度の中、あたし達は屋上に座った。
青「寝る。」
香奈「はいはい。」
いつもこんな感じ。
青峰が来たって、すぐ寝る。
…一応、いちゃつく事もできるんだけどさ。
さすがに青峰の前じゃ恥ずかしい。
それは、桜井君も同じ。
だからいつも、無言の時間が過ぎるんだけど…