第36章 *二人きり*〜日向順平〜
日「…お前、勘違いしてるぞ」
香奈「…へ?」
日「その…俺は怒ってないし、二人も嫌じゃねぇ////」
だけどな、と続ける先輩。
日「緊張すんだよ////二人って、何すりゃいいか分かんねーし…
引かれたりしたら、嫌だろ////」
視線を逸らしながら、小声で先輩は話してくれた。
じわっと、涙目になるのが分かった。
日「っておい!涙目になってんじゃねーよ!」
香奈「だって…嫌われてなくて、良かったぁ…」
日「んなの、なるわけねーだろ。だアホ。」
ピシッとデコピンされるけど、これも先輩なりの励ましなんだな、と思うと、可愛い。
香奈「引いたりなんかしないですよ。むしろ、期待してたくらいですから♪」
先輩が構ってくれない方が、何千倍も嫌です。
日「…そこまで言うんなら、覚悟しろよ。」
香奈「何がですか?」
首を傾げて聞き返すと、グイッと腕を引っ張られて、そのまま…
『チュッ』
先輩とあたしの唇が、重なった。
香奈「んっ…////」
日「…こういう事に関して、だよ////」
*二人きり*
エレベーターから出られるまで一時間。
いつもと違う先輩に、
あたしはずっとドキドキしてた。