第28章 *裏表*〜木吉鉄平〜
…部活後。
二人で並んで帰って、俺達は香奈の家に入った。
香奈「ただいまー。」
木「お邪魔しまーす。」
二人共こう言うけど、香奈は一人暮らし。
つまり、二人きりになる。
俺は、いつものように香奈に着いて行き、香奈の部屋に入った。
香奈「…鉄平。」
部屋に入って、ベッドに座ると、香奈が俺の名前を呼んだ。
…突然だが、香奈には表の顔と裏の顔がある。
学校やデート中などの人前ではクールだけど、二人きりの時は甘えてくる。
他にも、学校では俺の事苗字で呼ぶのに、こうやって二人になると名前で呼ぶ。
微笑む事が多くなる。
本音を隠さず言う。
香奈は、一種の二重人格なんだ。
そんなところも、俺は好きだけど。
香奈「…朝の続き、して?」
上目遣いで俺を見て、お願いしてくる香奈は、とても可愛かった。
俺は、そんな香奈の頭を優しく撫でた。
香奈「ん…。鉄平、好き…////」
木「俺も。」
俺が笑顔で香奈に返事をすると、香奈も照れながら笑った。
香奈「鉄平、ごめんね。
学校で冷たくしちゃって…」
木「いや、それでいい。
香奈の可愛いところは、独り占めしたいから。」
そう言って、撫でていた手を頭から頬に移動させた。
香奈も、俺の首に手を回す。
俺達は、お互いを引き寄せた。
その距離が無くなるまで。
*裏表*
表と裏の差が激しい、
君の可愛いところを見るのは、
俺だけで十分だ。