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隣を歩くのは

第8章 カコのあたしと赤司君


女子「あっれー?さーん、もしかして今赤司君に告白してたのー?」

『っ…!?』

女子「違うってー!それならもっと優しい断り方するでしょ、赤司君ならぁー♪」

女子「そーだよねぇ!あ、でもぉー、この女が赤司君の大嫌いなタイプだったら…それもあり得るかもよー?」

女子「そーだねぇ!で、実際どうなの?告白してたよねぇー?」



あたしの前に現れたのは、クラスで派手な化粧をしている、ギャルのグループだった。涼太のファンでもあるこの人たちは、いつもあたしを睨んでいたのを知っている。



女子「ま、黙っててあげてもいーよ。その代り…私達の言う事聞くって約束しなよ」

『っ…出来ない!』

女子「へー。じゃあさっきのアンタの一部始終全部、皆に言っちゃうよー?そしたらさ、アンタと仲良しの青峰君、絶対に怒るだろうねぇ」

『大輝は関係ないじゃない!』

女子「だから交換条件出してるじゃん。悪い条件じゃないと思うけどー?」



あたしはこういう人間が大嫌い。他人の弱みを握って、権力を振りかざして。

だけど大輝や涼太達に被害が出るのは避けたかった。

こいつらバカ女の言う事を聞けば、大輝たちに不利益は生じない。




『…分かったわ。その代り、絶対大輝たちには何も言わないでよね。それと、手も出さないで』

女子「心配ないよー♪私が狙ってるのは赤司君だけだからさ」






これで、いいんだよね。








「ー、飯食おうぜー…って、どうした?」

『!な、なんでもないよ!ごめん、何だっけ?』

「飯だけど…?お前本当に…」

『んもう!大輝のくせに変な気つかうなって!あたしは大丈夫だからさ、ほら!ご飯行くよ!』

「お、おう…」




大丈夫、あたしは心の殺し方を知ってる。

大輝たちとはいつも通り、その反対であの女たちの言う事を聞いていれば何も問題は無い。



だけど、あたしの脳内から赤司君のあの目は















消えなかった。
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