第4章 大人=第2の人生?
赤司side
『それは嫌』
…人が謝ろうと思った時に、この女はそんな事を言った。まぁ僕としてはこの女に嫌われようが構わないんだけど。…理由くらいは聞いておこう。
「何でだよ」
『嫌なものは嫌なの』
「…あっそ。なら俺も聞かねぇ」
『さすが大輝。分かってるじゃん。ね、あっちで飲み直そうよ』
…ちょっと待て。僕がせっかく耳を傾けたんだぞ。理由くらい話していけ。
來未「ふふふ~。いい気味ですね~」
「…酒臭い、飲みすぎだ」
來未「そうやって考えて考えて、苦しめばいいのよ。あの時ちゃんを苦しめた罪よ。一生そうやって悶々と考え続ければいいわ!」
『來未ー、余計な事言わなくていいから。ほら、こっちおいで』
來未「うん!ちゃん大好きー!」
…何なんだ、一体。考え続ける?そんなの僕の自由だ。ほら、こうやって考えないようにすれば…
…ダメだ、どうしてもさっきの表情が頭に流れてくる。憎んでいるようで、悔しそうな、あの表情。
「ダメですよ、女の子を泣かせては」
「…あの女は泣いてないだろう」
「泣いてますよ、心が」
「何を言っt」
「赤司君も変わってくれたから分かると思ったんですけどね。けど、彼女を見てれば分かりますよ」
「そーそー。でも、いくら赤ちんでもこれ以上ちん泣かせちゃ、ヒネリつぶしちゃうかも~。皆もそう思ってるはずだよー。気を付けてねー」
敦は寝ている涼太、真太郎、桃井を見る。という事は、そうか。僕は彼らを敵に回す事になるのか。せっかく元に戻ったと言うのに。
僕は腰を上げ、歩く。
『ぎゃー!バカ大輝!どこ触ってんだ変態!』
「」
『…何の用かな、赤司君』
「僕はせっかく取り戻した仲間を失いたくない」
『はいどうぞご勝手に』
「だから僕は君も手に入れてみせるよ」
『はいどうぞご勝手に…は?』
「楽しみだね」
『…はぁぁぁぁ!?』
もちろん恋人にするつもりはない。ただ、僕の歯車の中に彼女を取り込めさせてもらうよ。