第12章 隣を歩くのは
『大輝ー、この子預かってくれるって聞いたんだけど…って、皆いるじゃん』
「待ってたッスよー!くぅ~!っちに似てまじで可愛いッス!」
「今の発言、赤司君に今度こそ殺されますよ」
「へっ!?今のはそういう意味じゃなくって…ぎゃー!」
「黒ちーん、遅かったみたいー」
「全く…俺はミルクを作って来てやるのだよ」
來未「じゃ、じゃあ私も手伝う!」
千明「相変わらず緑間はこの子に対してはデレしか見せないよね」
「ねー!でも、本当可愛いなぁ!私もて、テツ君との子供欲しい、なぁ…」
「じゃあこの時間とこの時間にミルクをあげればいいんですね」
「き、聞こえてない!!」
千明「一途だねぇ。てかさっさと告白しなよ」
皆がいてくれる。当たり前のようで、当たり前じゃない幸福。
「ったく、人ん家に押しかけといてうるせぇな…ほら、さっさと行けよ」
「相変わらずダルそうだね、大輝は」
「人に子守押しつけといてよく言うぜ」
「すぐに引き受けてくれただろう」
「うっせーよ」
あたしは大輝を見つめる。大輝がいてくれたからこそ、今の幸せがあるとつくづく思う。
「…んだよ、何見てんだ、」
『…べっつにー?大輝は相変わらずガングロだなーって思ってただけ』
「喧嘩売ってんのかてめぇ!」
口ではそう言いながらも、昔と変わらず頭をわしゃわしゃと撫でてくれる。
『それじゃ、行ってくるよ!』
「「「「「「行ってらっしゃい!」」」」」」
隣を歩くのは、必ず1人ではないと思う。
涼太がいて
敦がいて
真ちゃんがいて
テツがいて
さつきがいて
來未がいて
ちーちゃんがいる。
そして
大輝がいて
征十郎がいる。
皆が隣を歩いている。
それが一番の
幸せなんだとあたしは思う。
~END~