第12章 隣を歩くのは
世の中にはたくさんの人がいる。
その中で生涯を共にする相手を見つけ、隣を歩いて行く。
あたしのとなりには、征十郎がいる。
「、今日は久しぶりにデートしようか」
『いいけど…子供達はどうすんの?』
「大輝達が面倒を見てくれるって」
『そっか。それで、どこ行くの?』
「初めてデートした場所だよ」
『…えっ…』
征十郎はクスクスと笑う。あの時以来ジェットコースター恐怖症になった。征十郎はそれを分かって言っている。
「久しぶりにジェットコースターに乗ろうか」
『断固拒否します!』
「次にコーヒーカップに乗って、昼ご飯を食べて…」
『無視ですか』
「そして最後に…あの観覧車に乗ろう」
『観覧車…』
「そして、あのジンクスが正しかった事を確認しに行こうか。僕達はこんなにも今、幸せなんだって」
『…うんっ!』
征十郎はあたしを凄く大切にしてくれる。子供も生まれた。まさにあたしは今、幸せ。
だけど、これは征十郎とだけの幸せじゃない。