第11章 あの日の続きを
「…大輝は祝福してくれないのかい?」
『あー?良かったなー』
「ちょっと大ちゃん、それだけ?」
「いんだよ、これで」
「でも…」
『本当にいいよ、さつき。大輝、ありがとね』
「…おう」
「逆じゃない?」
確かに普通、あたしがお礼を言って大輝が何も無しというのはおかしいだろう。けど、これでいいんだ。
大輝がいなければ、あたしはこうして征十郎と向き合えていなかった。お礼を言うのは、あたしの方だ。
『ねぇ大輝。今度2人でまた居酒屋巡り、しよっか』
「…たりめーだろ」
大輝はあたしのとこまで歩いて来てくれて、いつもみたいに頭を乱暴に撫でる。それを見た征十郎が隣で溜息をつく。
「ふぅ。やはり大輝には敵わないよ」
「はっ。当たり前だろ。羨ましいか」
「あぁ、羨ましい」
『?何の話?』
「「男同士の話だ(よ)」」
『何それー』
あたしは征十郎と大輝に手を差し伸べられる。迷うことなく2人の手を取った。
『征十郎、大輝!それに涼太、敦、真ちゃん、テツ、さつき、來未、ちーちゃん!
みんな、だーいすきっ!』