• テキストサイズ

隣を歩くのは

第11章 あの日の続きを


side






『ふふっ、何それ。喜ぶとこ、そこなの?』

「…うるさいよ。僕がどれだけ名前で呼ばれるのを待っていたかなんて、知らないからそう言えるんだ」

『くすっ…大丈夫だよ、征十郎。これからたくさん、征十郎って呼ぶから』

「…僕から離れるなんて、許さないよ」

『うん。あたしもやっと初恋が実ったんだもん。そう簡単に離さないよ』




あたし達はお互いの視線を交え、どちらともなくキスをした。

触れるだけの優しく甘いキスを、何度も何度も。





『…征十郎ってキス魔だったんだね』

「以前僕が言っただろう?言葉ではなく本能に聞くのが一番だって」

『それ、持論でしょ』

「僕の持論だ。間違ってるわけがないだろう」

『それは凄いですねー』




征十郎は部室にあったバスケットボールを持ってきて、1人でシュートの練習をしている。

練習と言ってもうますぎるから、入れて遊んでるようなものだけど。






「あぁそうだ、」

『何ー?』

「僕の部屋に住みなよ」

『…は?』

「どうせ結婚するんだから、今のうちから同棲を始めても構わないだろう?」

『けっ…!?ちょっと待ってよ!家賃とかの問題もあるし…』

「それはが気にする事じゃない。僕の部屋なら1人くらい増えても問題ないよ。使ってない部屋もあるから」

『ちっ、ボンボンめ…』

「何か言った?」

『何でもないです』



どうやら、あたしの意見は聞いてくれないようです。
/ 138ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp