第9章 お泊り~後編~
2日目ともあって筋肉痛がやばかったんだけど、コツを完璧に掴んだあたし達は自由自在に滑れるようになった。
あのばか女たちもここに来てるはずなんだけど。キセキ的に1回も会う事はなかった。
…それは違う。皆が、あたしがあいつらに会うのを防いでくれたんだ。
あたしは本当に良い友達に恵まれたよ。もう大丈夫、何も怖くない。
そして帰り道。
「帰り道は絶対っちと一緒がいいッス!車の中はいつも俺が隣だって決まってたッスもん!」
『いつの話をしてんのよ。我が儘言うもんじゃないの』
「やだやだやだ!俺もう行きの車で我慢したッスもん!っちと一緒がいいー!」
『けどあたし昨日あまり寝れてないし、今日も疲れたからきっと寝るよ?』
「それでもいいッス!っちの隣って事に意味があるんスもん!」
「いい加減にしねぇと置いて帰るぞ、黄瀬ぇ」
「青峰っちは黙っててほしいッス!」
…と、涼太が駄々をこねてもう15分。あまり遅くなれば暗くなって危ない。
ちなみにさっき決めた座席の配置は、
大輝の車にあたし、敦、さつき、赤司君。
真ちゃんの車に來未、ちーちゃん、テツ、そして涼太。
『テツがいるからいいじゃない』
「そりゃ黒子っちと一緒なのは嬉しいッスけど…っちがいなきゃ意味ないんスよー…」
『…はぁ、分かったわ。ごめん、ちーちゃん。変わってもらって良いかな』
千明「も大変だね。私はいいけど…」
「ダメだ、僕が許さない」
『 』
ああそうだ、我が儘王子がもう1人いらっしゃったんだ。
「涼太、人生そんなに甘くないという事だ。分かったらさっさと車に乗れ」
「あ、赤司っちは行きも帰りもずるいッス!っちがこう言ってるからいいんスよ!それに、いくら赤司っちがっちの事好きでも、俺だってっちと一緒にいたいんスから、譲らないッスよ!」
「…へぇ、随分言うようになったね、涼太」
『あーもー!鬱陶しいから!ごめんさつき、涼太と変わってもらっていい?向こうにはテツもいるし…』
「いいの!?ありがとう、!」
なんやかんやでまとまったけど、これからの人生は精神的に大ダメージを受けそうです。