第12章 喧嘩の時間。
二週間の冬休み中、俺たちは必要な事以外口にはせずに過ごした。
電話が鳴る。学校からだった。
短い三学期が始まる。
俺は理事長室に呼び出されていた。
学峯『赤羽君。先程君の担任から聞いたんだが、また職員室でも暴れたそうだね。
君は、三年からE組だ。
だが、君にはそれとは別に罰も受けてもらう。今日からちょうど3ヶ月間。君は停学だ。』
カルマ『………。』
コンコンコン!
学峯『どうぞ…。』
『失礼します!お兄ちゃん…。
職員室の前でみんなが話してるの聞いたよ…。何で?何でまた…。』
カルマ『まぁには関係ないでしょ?』
『………。理事長先生!兄が暴力を振るった事は悪いです。
だけど、理不尽な理由でイジメられていた先輩を助けただけなんです!
お願いします!兄をこのまま本校舎にいさせて下さい!』
学峯『それはできません。
赤羽君だけを特別扱いするわけにはいきません。この学校では、成績不振者以外にも、素行不良の生徒もE組行きになる。それにね、弱者は強者に踏みつぶされる。
それが私の教育論であり、社会の仕組みでもあります。理解して頂けましたか?まぁさん。』
『………。なら、私も素行不良の生徒としてE組に落として下さい。』
そう言うと、俺に近づき、腕を掴まれたかと思うと精一杯背伸びをしたまぁが俺の唇を塞いでいた。
カルマ『……!まぁ…。』
『兄弟でありながら、理事長先生の前でキスするなんて…素行不良もいいとこでしょ?』
全く動じない理事長先生は、その私の言葉を聞き言い放つ。
学峯『赤羽まぁさん。君も三年からE組行きです。』