第33章 残酷な時間
身体が…動かない。
私の中にまだこいつに対する感情があるのか?
感情は殺したはずだ。
シャキン…。
その場のみんなが固まる。
まぁは隠し持っていた折りたたみナイフを自分の首元に突き立てる。
『お…兄ちゃん…逃げ…て…。』
カルマ『まぁ…。』
コロ『カルマ君、まだまぁさんの感情は完全に失われていない!
先程の君の問いかけにも一瞬迷いがあった!
先生が何とかまぁさんを抑えつけます!君はまぁさんに、自分の気持ちを正直に、殺意を忘れてしまうほどの気持ちを伝えて下さい!』
『早く!…はやく、逃げて…ぢゃないと、私…お兄ちゃんを……。』
カルマ『俺は逃げないよ…。』
柳沢『はぁ…。まだ不十分だったか。では仕方ない。』
プスッ…。
私に麻酔針が刺さる…。
カランカラン…。
持っていたナイフを落とし、柳沢に抱き抱えられる。
ひなの『まぁを返して!』
柳沢『この子はもう、次に目が冷める頃には君達のことさえ覚えてはいない。
感情を殺すだけじゃ不十分だったよ。じゃあ、また来るね。』
コロ『待ちなさい!柳沢!』
柳沢『来ない方が懸命だよ?今ここでこの子を殺す事だってできるんだ。あぁ、後カルマ君だっけ?
君もだよ。』
カルマがナイフを持ち、こちらを見る。
それからまぁが戻ってくることはなかった。