第30章 学園祭の時間③
学園祭当日。
私は学秀のサポートをしながら走りまわっている。
ひなのや桃花からメッセージが来ている。
【まぁ、カルマ君はきっと反省してるから許してあげて!今日か明日、食べに来てね!!
あとエキシビション、私達のダンスと、カルマ君や磯貝君のバンド、見てね!!】
私はE組のエキシビションの担当だ…。嫌でもお兄ちゃんと会う事になる。
返信はせずに私はまた走りまわる。
学秀『まぁ、少し休憩をしよう。この後また忙しくなる。僕も演奏をするからサポートを頼む!』
『うん。』
学秀の出番だ。私は学秀にギターを渡し、身だしなみのセットを手伝う。
『学秀、マイクつけるね。』
狭いセット裏では、私は学秀に至近距離で襟元にマイクをつける。
側ではE組のメンバーと何故かコロ先生もスタンバッている。
コソコソ話す前原君…。
前原『なぁ…。よりによってまぁちゃんがくっつくように浅野にマイク付けてる姿を見ることになるとは…。』
磯貝『あぁ…。今回カルマもボーカルだ。担当はまぁ…。演奏前に喧嘩とかは勘弁してほしいな…。』
カルマ『…………。』
あの後家に帰ってから、俺は自分が言ってしまった事を反省した。
だけど、浅野君が明らかにまぁに好意があることが明白なだけに、その浅野君の家にいることがどうしても許せなかった。
まぁは許してくれないだろうな…。
今も…。悪いって思ってるのに、いざ目の前で浅野君とまぁがいるだけで俺の心はザワついて仕方がない…。
いっそ…約束なんか破って、俺だけのものにできれば…。
放送『続きまして、3-A浅野君による演奏です。』
観客席『きゃー!!!浅野先輩〜!!』『かっこいぃ〜!!』『こっち向いて下さ〜い!!』