第8章 笑えない。
「どっどうし………」
「一人で考えるの禁止。」
「へ???」
「ひなは一人で考えすぎて
結局泣いてるから。」
「泣いてなんか……」
「ふーん、じゃあこれは??」
胸をふいに離されて
頬に伝った涙を親指でぬぐわれる。
「………えっと。。。その。。。鼻水!!」
「めげないね。」
ふっと笑う家康。
政宗じゃないのに
私の心臓が思わずドキッとなった気がした。
「とにかく。ひながそんな顔してると
俺が困る。」
「なんで家康が困るのさ。」
「………なんでも。
次そんな顔して自分を自分で傷つけてたら、、、
俺が変わりに…………」
「!!!」
にやっと笑った家康は
絶対何かを企んでる顔だ。
ふるふると頭をふり
家康から離れる。
「わかった!わかったってば!!」
「ふーん、何顔赤くしてんの??」
相変わらずにやにや笑いながら
私を見る家康。
「べっ別になにも!!いやっ、その。。。」
「そうやってバタバタしてるほうが
あんたらしいよ。」
またふわっと笑う家康。
なんとなく鼻水と強がった涙はひっこんで
くやしいかな、もやもやがちょっとだけ軽くなった気がした。