第4章 消せない記憶。~宴~
「おい、ひな」
威厳のある声が耳に届き
思わず姿勢をただした。
「あっ!申し訳ありません。
つい、考え事を……………」
そうだった、今はこっちの信長様と囲碁勝負の
話だった。
「貴様、俺を目の前にして考え事するとは
なかなかのやつだな。
覚悟はできているのだろうな??」
「え?!あっ、いや、やめてください!
囲碁の勝負でそんな覚悟とか。。。
というか、それだけじゃないんだったらなんでしょう??」
「負けたら駆けた部位を差し出す」
「………へ??」
「貴様は俺の縁起物だと言う自覚がないからな。
負け続けたら身体そのものをもらう。」
「えええ!!!!!いやですよ!なんですか!それ!」
やっぱりろくなことがない。
信長様は。
「政宗の勝負に負けたのだから、この勝負を
受けることを命令する。」
「う゛。。。
でっでも負け続けたらって何回するつもりですか!
囲碁の勝負は1回だけがその効力の範囲内です!!」
「断る。貴様の意見は聞いてない。
ならばいきなりここで夜伽を命じる」
「そんなぁ。。。」
不満!!不満!!
不満すぎる!!
といいつつ、反論する力もなく。。。
がくんと頭を下げる。
「くっくっくっ。貴様はやはりは面白い。
忙しいやつだな。」
「忙しくもなります、そんなこと言われたら。。。」
なげやりに訴える。
「ならば。。。差し出すか、
質問に答えるか。」
「質問くらいいつでも聞いていただいたら
答えますよ」
「それだと面白くないだろう。
ただし、絶対に嘘はつくな。
俺も絶対に嘘はつかない。」
まっすぐ見つめられたその瞳に思わず
吸い込まれそうになる。
「……わっわかりました。でも変なこと聞かないで
くださいね。」
「変なこととは何を想像しているんだ?
夜伽のやり方か?」
「!!!な!!!もう!やめてください!!!」
「まぁ、そう畏まるな。
なにかを賭けた方がより面白いものよ。」
楽しそうに信長様が笑った。