• テキストサイズ

【イケメン戦国】蒼い瞳の向こう側

第12章 懺悔。




ほのかに美味しそうな香りがする。

ぐぅ。。。

!!!
また鳴った!!!


「やっぱりな、起きたら絶対そうだと思って
 簡単なもんだが作ってきた。」

家康にぐっと体勢を起こしてもらい
自力で座る。
六日間も寝てて、
死にそうになっててもご飯をみると食欲がわいてくるという
この食い意地が恥ずかしいけど
お腹がすいてるもんはすいてるのです。
と自分に言い聞かせる。


「まぁ、食べてなかったわけだし、
 そんな急に消化の悪いもんは食べられねぇだろうから
 吸い物の具なしみたいなもんだけどな。
 家康、ひなは食べても大丈夫か?」

「はい、恐らく出血によるものが大きいかと思いますので、
 大丈夫かと。それに本人の身体が
 食べたいっていってるみたいですしね。」

家康が私をみてにやっと笑う。

「やっ!そんなこといわなくたって!」

いつもより張りのない声だなと自分が聞いてても思いながら
それでも精一杯反論した。

「そんだけ言い返せたら大丈夫だろ。」

政宗が笑いながら
目の前にあったかいお吸い物がのったお盆をおく。

「ほら。」

「へ??」

匙を私の口もとに持ってこられる。

「いや!その。。。大丈夫!!!ほんとに!」

こんなみんなのいる前で食べさせてもらうとか
ほんとに無理!!と思いつつ
ぐいぐいくるのでその時間も恥ずかしくなり
口をあける。



ずっと差しだされた匙からお吸い物を飲むと
保のかに塩味のきいただしがしっかりとれていて
口のなかいっぱいに幸せが広がる。


「美味しい!」

「だろ?しっかり食え。飲めか、この場合。」

「ありがとう。」

また食べさせてもらってはたまらんと思い
お椀を片手でもって直接飲んだ。

身体があったかくなってくる。

飲んでいると
パタパタと足音が聞こえる。

「ひなさん!!ってあれ?みんないる!」

はるが息をきらしてやってきた。

「おせぇよ。どうせみんなを呼びに行こうと
 走り回ってたんだろ。
 足捻挫してるんだから、あんま走るなよ。」

呆れたように政宗がいう。

「だって、みんなに早く知らせたくて、
 家康にも見てもらわなきゃとおもっていの一番に
 行ったのに誰もいないし。、」

「だからはるのパタパタする足音でみんなわかるから。」

家康がいう。
/ 214ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp