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蒼い月

第16章 詐欺師の森


「何でそんな怒ってるのかよくわかんないけど、元々あいつらは人を馬鹿にしたり、ポケモンを強奪してたり、人間としてまずあり得ないことばかりやってたから。私は首を突っ込んだんじゃなくて巻き込まれたの。それに、その問題を放置してたのは貴方達じゃない...あとテレジア、私は大丈夫だからフルールカノンはやめなさい」
「ピッピッ!」(ですガ!)
「大丈夫。ね?」
「ピ...」(はイ...)

フェリシアのすぐ近くにいたテレジアは仁王に向けて今にもフルールカノンを撃とうとしていたが、フェリシアに宥められ渋々エネルギーが貯まっていた機械仕掛けの腕をおろした。

「...訳がわからん。お前さんみたいな女子(おなご)は見たことないの」
「誉め言葉として受け取っとくわ」
「貶しとるんじゃ...はぁ」

ため息をつき、手を離す仁王。しかしその顔には笑みが浮かんでいる。

「幸村達が注目するのもわかる気がするのぅ...」
「ん?何か言った?」
「いんや?何も言っとらんぜよ」
「?そう...」
「ところでお前さん、幸村達のことを下の名前で呼んでるようじゃが、それはあいつらに言われたんか?」
「えぇ、そうだけど」
「...なら、俺のことも名前で呼びんしゃい」
「えっと...」
「雅治じゃ」
「...雅治君?」
「...なんじゃ?」
「ふふっ」

思わず笑ってしまったフェリシア。

「何笑っとるんじゃ」
「ううん、別に、何でもないよ」
「全く、変わった女子(おなご)じゃのうフェリは」
「...え?今雅治君、私のあだ名...」
「幸村達もそう呼んどったからの...駄目じゃったか?」

仁王の顔は若干赤くなっている。

「そんなことないよ。改めて宜しくね、雅治君」
「...おん」

そんなこんなで、詐欺師と仲良くなれたフェリシアでした。
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