第14章 ファンクラブ
バトル部の入部試験が終わった次の日のお昼休み。
クラスメート達とお昼ご飯を食べていたフェリシアのもとに、見知らぬ女子達がやって来た。
「アンタがフェリシア?」
「(初っぱなから呼び捨てって...)そうだけど、何か御用?」
「ちょっと来なさいよ」
「何故?」
「いいから早く来なさいよ!」
無理矢理席から立たされ、腕を掴まれ連行されるフェリシア。
そのまま教室の外に連れ出されてしまった。
ところ変わって屋上。
フェリシアの周りを数人の女子が取り囲んでいた。
「貴女がフェリシアね、突然お呼び出ししてしまって申し訳ありませんわ」
フェリシアの目の前に立つのは、金髪のくるくるしたツインテールに青い瞳の女子。良いところのお嬢様といった感じだが、香水の匂いが全てを台無しにしている。
「わたくしはリッカイ学園バトル部レギュラーファンクラブ会長、愛宮姫華と申します。今日貴女を呼んだのは他でもありませんわ...率直に申し上げます」
「早急に、バトル部を辞めて頂きたいのです」
「...は?」
これには流石にフェリシアも驚いた。
「何故、貴女がそれを言うのですか?」
「先程も言った通り、わたくしはリッカイ学園バトル部レギュラーファンクラブ会長。レギュラー陣の応援だけでなく、レギュラー陣に近づく不粋な人間を排除するのが使命ですわ。それに、幸村君や柳君も、貴女に付きまとわれてうんざりしていますの」
「...それは、本当に彼らがそう言っていたの?」
フェリシアの目にうっすらとXの紋様が浮かび上がる。
「えぇ、勿論ですわ」
「なら、直接彼らに聞いてきます」
「はぁ?!」
フェリシアの言葉に狼狽える愛宮。
「何故貴女が狼狽えるの?本当に彼らがそう言っていたのなら、貴女は狼狽える必要なんてないでしょう?」
「ちょっと、幸村君達はうんざりしてるって今姫華ちゃんが言ったじゃない!」
「生憎、私は実際に見聞きしたものしか信用しないので」
女子の輪を押し退けて屋上の出口へと歩き出すフェリシアはふと振り返った。
「どうしても、私をバトル部から辞めさせたいのなら、」
「バトル部レギュラー陣立ち会いの元、バトルで決めましょ」
「「「「はぁ?!」」」」
愛宮と取り巻きの女子達の悲鳴が被った。