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蒼い月

第13章 入部試験


こうして、アクシデントはあったものの、フェリシアは次々に試合を勝ち続けた。

「ラグラージ戦闘不能、ヒコザルの勝ち!よって勝者、6年C組フェリシア!」
「イワーク戦闘不能、ヒコザルの勝ち!よって勝者、6年C組フェリシア!」

「流石フェリ、今のところ無敗みたいだね」
「あのヒコザルも、連戦だと言うのに全く疲れの色が見えないな」
「それだけバトル慣れしてるってことだろうね」

リーグ表を見ながら話す幸村と柳。またまた大きな爆発音が聞こえたのでフィールドを見れば、オノンドが目を回して倒れていた。

「...どうやら、決まったようだね」

幸村の目線の先には、ヒコザルと勝利を喜び会う少女の姿。

「これで全試合終了だ!リーグ上位10名はこちらへ来てくれ!」

幸村の声がフィールドに響き渡った。

「これから、入部についての説明を行う」
「これから君達には1ヶ月の仮入部期間に入ってもらう。この期間で実際にバトル部員として活動し、本当に入部するか否かを決めてもらう。あぁ、期間中に辞めてもらってもかまわないよ...練習についてこられないような人間は、我がリッカイには要らないからね」

仮入部期間があることを知らなかった合格者達はざわめいたが、幸村の一言で一気に静かになった。

「まぁ、とりあえず試験合格おめでとう。明日から頑張ってくれ。では、解散!」

三々五々別れていく合格者達。そんな人の群れを縫ってフェリシアに飛び付いてきた者がいた。

「フェリさん、合格おめでとうっす!」
「赤也君!ありがとう!」

飛び付いてきた赤也の癖っ毛を撫でるフェリシア。

「お疲れ様フェリ」

幸村と柳も近づいてきた。

「精市君、蓮二君、お疲れ様...にしても、仮入部期間あるなんて聞いてなかったから驚いちゃった」
「事前に言ってしまってはつまらないからな」
「でも、フェリさんなら大丈夫っすよ!」

無邪気に笑う赤也に、その場の空気が明るくなったようだった。

「兎に角、1ヶ月頑張ってねフェリ」
「えぇ、もちろん!」
「ヒコッキャ!」(頑張るぞ!)

こうして、とりあえず試験に合格したフェリシア。これから始める1ヶ月の仮入部期間に胸を膨らませるのだった。
...まぁ、絶対一悶着ありそうだが。
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