第13章 入部試験
二日後。
リッカイ学園のバトルフィールドでは、入部試験が今まさに始まろうとしていた。
「バトルはリーグ形式で行い、使用ポケモンは各試合一体のみ。連戦が予測されるため、試合後は必ずポケモンの回復を行うこと」
「リーグの上位10名に入った者に、入部資格が与えられる...万が一、反則行為を行った場合やバトル部員として相応しくない言動を取った場合、入部資格及び試験資格も剥奪するからそのつもりで」
柳と幸村が大勢の入部希望者の前でルール説明を行っている。
「リーグ表はここに貼っておくから、各自小まめに確認すること。何か異論はあるかい?」
「はい」
一人の少年が手を挙げた。
「もう資格剥奪される人いるじゃないですか」
「誰だい、それは」
少年はフェリシアを指差した。
「こいつです。ここって女子禁制じゃないんですか?だとしたら、こいつはここにいる資格ないと思います」
「彼女は俺が誘ったんだ。それにここは女子禁制ではないし、資格剥奪については俺に権限がある。君がどうこう言う権利はない...むしろ他人を貶すような言動をしている君こそ、試験を受ける資格はないと思うけど」
ブリザードを纏ったような幸村の気迫に、少年は何も言えなくなった。
「もう何もないな。なら、第一試合~第三試合の受験者、第一~第三フィールドに入ってバトルを始めてくれ」
第一フィールドにて。
フェリシアは先程自分にここにいることが相応しくないといちゃもんをつけてきた少年と対峙していた。
「さっさと潰してやる!コドラ!」
「MyBestPartner、フィアンナ!」
対戦相手はコドラを、フェリシアは自身のパートナーであるフィアンナを出した。
ここの審判は柳のようだ。
「では、試合開始!」
「コドラ、地震だ!」
「フィー、ストーンエッジ!」
地震が発動されるより早く発生した岩を使い、フィアンナは空へ逃げた。
(これは、丸井の時と同じ状況...まさか、次はソーラービームを放つ気か?)
審判をしながら考察する柳。しかし、フェリシアは柳の予想に反した指示を出した。
「岩石封じ!」
「コドラ逃げろ!転がる!」
落下する岩石を避け、フィアンナに向けて転がるコドラ。しかし、先程のストーンエッジで発生していた岩と落下した岩に阻まれ、上手く動けないようだ。