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蒼い月

第12章 教師と全力の絆


「この子、ビクティニ、だよね?」
「そう。エースっていうの。今までの事、全部ビデオに収めてもらってたの」
「何のために...」
「この人も吉沢校長と同じ、女性を馬鹿にする発言があったから。立派な名誉毀損よ」
「...警察に、付き出すのかい?」
「名誉毀損だけなら兎も角、バトル相手に暴力振るおうとしたからね。私のは多分正当防衛になると思うけど...」
「フェリシアさん!」

突然声を掛けてきたのは一人の女子。

「そいつ、警察に付き出して!」
「?!」

これにはさすがのフェリシアも驚いた。

「藤沢先生、今まで散々私達女子を馬鹿にしてきてたの!」
「反論したくても、すぐ暴力とか振るってきて...」
「校長先生は取り合ってくれないし、もう我慢の限界だったの!」

口々に藤沢の言動を暴露する女子勢。

「...わかった。でもこのクラスの先生、多分居なくなるけどいいの?」
「「「「うん!」」」」
「わかった。ジュンサーさんに連絡するね」











数時間後。
藤沢はジュンサーさん達によって連行された。名誉毀損に暴力未遂、刑務所行きは免れないとジュンサーさんは言った。エースが撮影していた記録や女子勢の証言もあるので、確実に有罪だろうとも。
フェリシア達は警察署で事情聴取を受け、すぐに解放された。

「にしても、まさかポケモンを使って証拠撮影してたなんて」

帰り道、歩きながら幸村は呟いた。

「講習会の日に校長にも馬鹿にされたから。多分他の先生もそういう人がいるんじゃないかと思ってね。エース...ビクティニ達は姿を自在に消したり出来るから、バレずに撮影出来るし」
「ティニ!」(そうだよ!)

エースはフェリシアの周りを飛びながらポフィンをかじっている。

「600族に幻、君は一体どれだけポケモンをゲットしてるんだい?」
「うーん、冒険の数だけ、かな」
「なにそれ」

笑う幸村。

「そうだフェリ、明後日バトル部の入部試験あるんだけど」
「入部試験?」
「そう。毎年入部希望者が多いから試験を行っているんだ。もちろん、試験内容はポケモンバトルだけど」
「楽しそうね。是非、受けさせてもらうわ」
「君がバトル部に入ってくることを、楽しみにしているよ」

こうして、フェリシアのスクールライフはまさかの担任逮捕で始まったのだった。
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