第2章 ニッポン地方へ
「講習会は明日の午後からなので、それまでゆっくり休んでください。」
「何から何までありがとう白波君、フェリ、行こうか」
「うん!」
現地の博士に連れられて、フェリシアとその相棒はニッポン地方の一歩を踏み出したのだった。
ナリタ空港から白波研究所のあるリッカイシティまでは車で一時間程だった。白波研究所はプラターヌ研究所よりも小さかったが、広い野原や大きな湖がある、のどかな場所だった。
「良いところだね、フィー」
「ヒーコヒコヒコォ~」(ホントだねフェリ~)
「ここは新しくスクールに通う子たちにポケモンを渡す場所でもあるんだよ」
「...ん?スクール?旅立ちじゃなくて?」
「...ヒコ?」(...あれ?)
「この地方で旅立ちが許されるのは16歳からで、子どもたちは10歳になるとスクールに通うことが義務付けられているんだ。その際、僕が入学のプレゼントとして各地の初心者用のポケモンを渡すことになっているんだ。ちなみに、16歳以下の他地方のトレーナーの旅も禁止されているんだよ。」
「「「...」」」
数秒固まる二人と一匹。
「「ええぇぇえ!」」
「ヒコォォオ!」(ええぇぇえ!)
「ちょっとパパ、どーゆー事?!」
「ごめんフェリ、僕も忘れてたよ...」
「なぁんだ、また旅出来ると思ったのに...あ、白波博士、ここってカロスとポケモン転送出来ますか?」
「うん、出来るけど...」
「すみません、ちょっとお借りします!」
「あぁ、どうぞ」
数秒のち、フェリシアはモンスターボールを2つ抱えて戻ってきた。
「フェリ、誰を送ってもらったんだい?」
「カポネとローズマリーよ」
「フェリちゃんのポケモン、興味あるなぁ。ちょっとこれから今年スクールに入る子が来るから、その後でいいから見せてくれないかな?」
「えぇ、いいですよ」
この後、少し思いがけない形で白波博士に自分のポケモンを見せることになろうとはフェリシアはこれっぽっちも思っていなかった。