第10章 命の灯火
「さてと、皆にお披露目だよ。ポプラ、ちょっと上登るね」
「構わねぇよ」
フェリシアはポプラの背中の甲羅の上に立つと、ユキカを皆から見えるように抱き上げた。
「皆、新しい家族のユキカだよ!ユキカ、挨拶出来る?」
「う!ゆきかだよ!よろちく!」
元気に右前足を上げて挨拶するイーブイ、基ユキカに、ポケモン達は、
「「「「か、可愛い!!!!」」」」
とメロメロに。
ユキカの首に水色のリボンを巻いていると、年少の子達が近寄ってきた。
「ユキカちゃん、遊ぼ」
「よろしくね!」
「仲良くしようぜ!」
「遊ぶ、たくさん」
「...まま、」
「行っておいで、ユキカ」
「...う!」
突然知らないポケモン達に囲まれて不安そうなユキカだったが、わりとすぐに溶け込めていた。
「無事に生まれて良かったね、フェリ」
「...うん」
「どうかしたか?」
「ユキカが保護された時にね、近くに親らしきイーブイの遺体があったんだって。だから、もしかしたら...」
「タマゴの中からそれを見てたかも知れねぇってことか?」
「うん。今は大丈夫そうだけど、その内に...」
「その時が来たら、皆でどうにかしよう。家族なんだから」
「...そうね。ありがと、フィアンナ」
こうして、新しくタマゴから孵ったアルビノイーブイが仲間になったのでした。
一方、年長組の会話。
「...ところでさ、アルビノって進化してもあの色のままなのかな?」
「さぁ...?」
「まず色違い自体存在が希少ですし、あまりアルビノポケモンについての文献が無いのでなんとも言えないですね...」
「ま、今はあの子が無事に産まれて来てくれたことを祝おうじゃないか」
「そうだな」
「きのみ採ってくるかー」