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蒼い月

第8章 達人VSメガ進化


煙が晴れると、ポセイドンもメタグロスもまだフィールドに立っていた。
しかし、

「メ、タァ...」

先程の爆発に巻き込まれたダメージが大きかったのか、メタグロスはフィールドに倒れた。良く見ると目を回している。

「メタグロス、戦闘不能!ギャラドスの勝ち!よって勝者、ミアレシティのフェリシア!」

白波博士の声が響き渡った。その直後、会場は大歓声に包まれる。

「ポセイドン、お疲れ様」
「ギャーギャラ」(フェリもお疲れ様)

メガ進化が解けて元に戻ったポセイドンがフェリシアに巻き付くと、歓声が今度は悲鳴に変わった。

「ちょ、ギャラドスに襲われてるぞ?!」
「助けた方がいいのでは?!」
「いや、大丈夫だよ。良く見てごらん」

慌てるレギュラー陣とは正反対にプラターヌ博士は冷静だった。

「ギャー、ギャラギャラ?」(フェリ、僕格好良かった?)
「うん、とっても格好良かったし、本当にマーベラスなバトルだったよ」
「ギャラギャラ~」(ありがとう~)
「どーいたしまして。もー本当に可愛いなぁうちの子は~」

フェリシアに巻き付いて頬擦りするギャラドスと、笑顔でそれを受け止めるフェリシア。
プラターヌ博士は兎も角、見慣れない人から見ればある意味恐怖だった。

「よくやった、メタグロス」

静かな声で労いながらメタグロスをボールに戻す柳。その顔には負けた悔しさよりも、清清しい表情が浮かんでいた。

「ありがとう。良いバトルだったぞ、フェリシア」

そう言って手を差し出す柳。

「フェリでいいよ、柳君」
「俺も、蓮二で構わない」

柳の手を握り返すフェリシア。

「やはり、ミアレの蒼い月(ブルームーン)の異名は伊達ではなかったな」
「なんでそれを...?」
「昨夜調べた。想像以上の経歴の持ち主だったとは」
「そんなことないと思うけど」
「是非、我がリッカイのバトル部に来て欲しいものだ」
「ごめんね、私一ヶ所に留まるより、いろんなところ旅してたいから」

そう言ってフェリシアは苦笑した。

「これで、今日の講習会は終了だ!」

プラターヌ博士の声がフィールドに響き渡り、歓声が木霊した。
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