第5章 対決!デスサイズ団!
煙が晴れると、そこには目を回して倒れている3体のポケモンが。
「ミルフィー、お疲れ様」
「タブ~」(いえ~)
一瞬ミルフィーが光ると、元の姿に戻った。
「元に戻った...?」
「メガ進化は一時的なものだからね、バトルの後は元に戻ってしまうんだ」
プラターヌ博士によるメガ進化の簡単なレクチャーを余所に、フェリシアはつかつかとデスサイズ団に歩み寄り、そして、
「がはっ」
リーダー格の男の襟元を掴んで引き上げた。しかも片手で。
「さぁ、吐け。メガ進化ポケモンを狙う目的は?『あのお方』って誰?」
絶対零度が発動されてるのではないかと錯覚させるような声でフェリシアは男に問いかけた。
そこへ、
「テメェ、兄貴から手を離しやがれ!」
と、残った男達が殴りかかってきた。
しかし、それで怯むフェリシアではない。
ゴンッ!
「「痛ってぇ!?」」
なんとフェリシアは殴りかかってきた男に向かって掴んでいた男を投げたのだ。そしてお互い顔面強打。痛い。
「うわぁ...」
「アイツ、えげつねぇな...」
幸村達も思わず顔がひきつってしまった。
「まぁ、いいか。これからこってりジュンサーさんにしばかれてきなよ」
というフェリシアの手にはいつの間にか端末が握られていた。
よくよく耳をすませば、パトカーのサイレンも聞こえてくる。
「くそっ、捕まってたまるか!」
と、逃げ出した最後の1人は、
「誰が逃がすか」
と、フェリシアに跳び蹴りを食らわされ、気絶してしまったのだった。
到着したジュンサーさんには、襲いかかって来たけれど3人の息があってなくて自滅したと嘘の報告をした陰で、少年達はガクブル震えていたそうな。
一方で、少年達がガクブル震えていた側での保護者組は...
「プラターヌ先輩」
「なんだい、白波君?」
「本当、フェリシアちゃんって何者何ですか?」
「何者って、僕の大切な愛娘だよ」
「いや、それはわかってるんですけど、バトルが強いどころか、肉弾戦もできるし、ジュンサーさんに虚偽の報告が堂々と出来るって....」
「まぁ、あの子はいくつも修羅場を潜り抜けてきているからねぇ...」
(やっぱり、『ミアレの蒼い月(ブルー・ムーン)』の異名は伊達じゃあないな...)
「ん、なんか言ったかい?」
「いえ、何でもないですよ」