第30章 浪速のお笑い軍団
「勿論、大丈夫だよ」
「おおきに。ほな来い」
「ロズ...」(冷たい...)
白石の投げたボールから出てきたのはロズレイド。
「俺のパートナーなんや。スクールに入る前からずっと一緒の」
「そうだったの。あ、ここかな?凍ってるの」
「......フェリシアさん、手当ての手順に無駄ないんやなぁ」
手早くロズレイドの手当てをしていくフェリシアに、白石は感嘆の声をもらした。
「まぁね。ずっと旅してたから嫌でも覚えちゃって」
「旅、しとったんか?」
「うん。まあ色々あってこのスクールに編入したの......はい、終わったよ」
「ロズロズ」(おおきに)
「おおきにな、フェリシアさん」
「ふふっ、どーいたしまして」
律儀に頭を下げる白石とロズレイド。
「あ、そーやフェリシアさん、後で金ちゃんとバトルしてやってくれへん?」
「遠山君と?」
「せや。金ちゃん、強い人とバトルするん好きなんや」
「...私、バトル強いなんて一言も言ってないけど」
「せやけど、今まで旅しとったんならそれなりの経験積んどるやろ?それに、あのウインディのスピード、生半可な育成じゃ出せへんと思うけど」
「(蓮二並みの観察力...敵にまわしたら厄介なタイプね)わかった...あと私のこと、フェリでいいよ」
「おん。それなら俺も蔵之介でええよ......ほな、金ちゃんのこと、よろしゅう頼んます」
また律儀に礼をして、白石は戻っていった。
そして、時間は過ぎて...
「これより、シテンホウジ学園遠山金太郎対リッカイ学園フェリシアのバトルを始める!」
バトルフィールドにて対峙するフェリシアと金太郎。
今回の審判はシテンホウジの副部長らしい。
「使用ポケモンは1体、どちらかのポケモンが全て戦闘不能になった時点でバトル終了や!」
「ほな行くで!イワンコ!」
「MyBestFriend、バロン!」
「やっぱ金ちゃんはイワンコか...」
「フェリ、グラエナ持ってたのかよぃ...」
「初めて見たぜ...」
バロンと呼ばれたグラエナの首には水色のスカーフが巻かれている。