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蒼い月

第30章 浪速のお笑い軍団


「おはようフェリ、ご苦労様」
「おはよう精市、蓮二。遅くなってごめんね」
「いや、集合時間ギリギリだから大丈夫だ」
「なら良かった...よいしょっと。センリもご苦労様。ありがとう」
「ウオン」(良いってことよ)

何時もの如く赤也をお姫様抱っこしてセンリから飛び降りるフェリシア。案の定、赤也は目を回しているし、頬っぺたも少し赤くなっている。

「...えっと、幸村クン?この子は?」

置いてきぼりにされていた白石が声を出した。

「あぁ、紹介するね。うちのマネージャーのフェリシア。カロスからの留学生なんだ......フェリ、こっちは白石。シテンホウジ学園のバトル部の部長だよ」
「あ、今日の練習試合のお相手さんだね。はじめまして、私はミアレシティのフェリシア。こっちはパートナーのフィアンナとセンリ」
「ヒコヒコ」(宜しく)
「ウォフ!」(よっ!)
「俺はシテンホウジの白石蔵之介や。ほな、よろしゅうたのんます」
「自己紹介も済んだようだし、始めるか」
「そうだね......ん?」
「どうしたん幸村クン?」
「あれ」

幸村の指差す方向には土煙。しかも、段々大きくなっていく。

「あれは、まさか...?!」

白石が呟いたその瞬間だった。

「白石ぃ~!」

勢いよく白石にちっこい何かが飛び付いた。黄色と黄緑色のジャージを来ているとこを見ると、どうやらシテンホウジの部員らしい。

「金ちゃん?!」
「白石!あんな、ウインディがな、めっちゃ速く走っとったねん!そんでな、ワイそのウインディ追っかけとったら白石みつけたねん!」

金ちゃん、と呼ばれた少年は白石に抱きついたまま目をキラキラさせて話している。

「『めっちゃ速く走るウインディ』...?」
「『追っかけてきた』...?」
「それってまさか...?」

その場にいた金ちゃん以外全員の目線がセンリに注がれる。

「...えーっと、センリのことよね?」
「...そのようだな」

呆けたような声を出すフェリシアと柳。

「なぁなぁ、このウインディ、姉ちゃんのなんか?!」

今度はフェリシアにキラキラした目線を向ける金ちゃん。
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